ファッションに興味がない人でも誰もが知っているブランド「リーバイス」。長寿ブランドであるがゆえに、これまでに数多くのアイテムを作り続けてきました。
その中で、ヴィンテージはもちろん、ヴィンテージの復刻などが多数リリースされており、どれが本当のヴィンテージなのかを見極めるのは初心者ではかなり難しくなってしまっています。
そこで今回は初心者でもある程度ヴィンテージとそれ以外とを見極められる方法をお伝えしたいと思います。
どうも!
古着屋店員兼ブロガーの「k(@k___blog)」です!
今回はファッション界で一番知名度があると言ってよい「リーバイス」のデニムパンツについて。
個人的にはそこまで興味がなかったリーバイス。
「LVCって何??」というレベルだったのですが、古着屋で値段を付けるとなるとある程度の知識が必要になってきます。
後述しますが、LVCとは「LEVI'S VINTAGE CLOTHING」の略で、過去のリーバイスの復刻モデルの事を指します!
そんなほとんど知識がなかった自分でもある程度の見極めができるようになったのですが、それが結構大変でした。
その理由と言うのがネット上にあるリーバイスの年代識別などはコアな内容だったり、基本を知っていないと全く理解できない事が多く、ヴィンテージの知識が乏しい自分にとっては理解しにくい物だったんですね。
昔は一般の方でもヴィンテージに詳しい人が多かったようですが、今はそんな人もかなり限られています。
都内のヴィンテージショップに行けば教えてもらう事もあるようですが、基礎を知っていないと何を聞いていいのかも分からないですよね。それに聞きづらさもあるでしょうし。
自分の周りにもあまり詳しい人がいなかったので、ネットの情報と古着屋での経験を掛け合わせてやっとある程度理解できるようになりました。
そこで、今回は基本的なリーバイス501の見分け方やある程度の年代識別をお伝えしようと思います。
「色落ちで何となくわかる。」といったような曖昧なニュアンスはできるだけさけて説明しようと思います。
「現行・レギュラー」「ヴィンテージ」「LVC(復刻)」とは?
歴史のあるリーバイスでは、今日数多くのモデルが登場している為、それを種類分けするのはかなり難しいことです。
シルエット別の種類などもありますし、生産国による違いもあります。もちろん年代によっての違いもあるでしょう。
今回はリーバイスのデニムを「現行」「ヴィンテージ」「復刻」の3つに区分して説明しています。
これを見分けることができるようになればヴィンテージへの入門にもなるでしょう。
どこからどこまでがヴィンテージか分からないというような初心者の方はまず、この3つについて知るべきだと思うんです。
すると、自分の中のリーバイスの世界が大きく開くはずですよ!
ということで、まずはこの3つについて軽くご説明したいと思います。
現行・レギュラー
まず、「現行」という言葉はリーバイスに関わらずですが、「現在生産されている物」または「現在販売されている物」の事を指します。
そして「レギュラー」と言うのはヴィンテージとしての価値がない古着になります。古着屋さんなどでいつでも買えるイメージの服ですね。
この2つは一般的に古着としての価値は高くなく、すぐに手に入るものです。
これらは時を経てヴィンテージにまでなっていくものもあるでしょうが、それを期待して買うのはあまり得策ではないでしょう。
年代としては1978年~現在までの物が「現行」「レギュラー」と考えていいです。
(ヴィンテージと言えるものの年代は人によって様々な意見があります。)
ヴィンテージ
ヴィンテージとは年代が経つことによって、価格が上昇した物を指すことが多いです。
また、25年~100年未満前の価値のある物をヴィンテージと定義されることも多いですね。
100年以上前の物になるとアンティークと表現されるそうです。
ですから、リーバイスにおいてもヴィンテージと呼べるのは1993年より前の物と言えなくもないのですが、その辺りのリーバイスの古着に付加価値が付いているとは言えません。
基本的には1978年以前の物をヴィンテージと呼び、それ以降の物をレギュラーと呼ぶことが多いです。
理由は様々ですが、ヴィンテージリーバイスの特徴である「色落ち」が大きく変わってしまったのがこのあたりからのようです。
これも人によってはヴィンテージの区切りが違うのですが、この辺りから古着としての価値が上がってくるので、一般的にもこの年がある程度の区切りと考えていいでしょう。
LVC(復刻)
続いて復刻ですが、これが初心者にとってかなり厄介。(自分は結構悩みました)
リーバイスジャパンの企画として始まったのが、LEVI'S VINTAGE CLOTHING(リーバイスヴィンテージクロージング)略してLVCと呼ばれるものです。
このラインは過去のリーバイスを忠実に復刻したモデルで、ヴィンテージのディテールを持っています。
日本でもリーバイスのレプリカブランドは流行しましたが、(フルカウントやウエアハウスなど)LVCは本家本元が復刻したモデルという事です。
しかしながら、過去のリーバイスを完璧に再現することは不可能。
リーバイスのヴィンテージフリークからすれば、
「忠実に再現されていない」
「復刻を買うなら、お金を貯めてヴィンテージを買う」
「他のレプリカブランドの方が作りが良い」
と言ったマイナスなイメージが強いようです。
個人的にはヴィンテージよりも安価に買えて、レギュラー品よりも味のある雰囲気は好きなんですけどね。
ということで、LVCの特長としてはヴィンテージのディテールを持っていてる現行品だという事です!!
LVCは内タグを見れば「LVC」と表記されているので分かりやすい物も多いのですが、1990年代前半の初期のモデルは表記がないので見分けるためには注意が必要です。
また、LVC以外にもアメリカ製の復刻モデルなどもあります。
特に有名なのが後述するバレンシア工場製の物ですね。
フロントボタン裏の番号から読み取る
さて、ではここからリーバイスの年代をディテールから読み取っていきましょう。
見るべき部分はいくつもあるのですが、現行・ヴィンテージ・LVCのいずれにしても、まず見ておくべきなのがフロントボタン裏の番号なんです。
この番号はリーバイスを読み取るうえで重要なポイントとされています。
ちなみに、この番号は製造された工場を示すと言われており、サンフランシスコのバレンシア製の刻印が「555」となっていることはリーバイス好きにとっては周知のこと。
他にも数多くの番号がありますが、この工場番号から年代を推測することができるんですね。
では、番号ごとに年代を見ていきましょう。
英字1文字
アルファベット1文字の刻印がある物。
1962年頃から1967年頃までのディテールとされていて、これを見つければほぼヴィンテージ品で間違いないかと。
「J」と「K」の刻印が最も多い様です。
数字1文字
数字1文字の刻印。
年代は60年代~70年代までと幅広く使われています。
「6」の刻印が特に有名で、60年代~70年代まで長く使われていますが、「2」「4」「5」「8」の刻印が入った物は「bigE」や「66前期」などのヴィンテージの物が多いようです。
bigE・66前期というのはヴィンテージの年代別の通称です。
数字2文字
数字2文字の刻印。
50年代~80年代と幅広い年代で使われています。
「16」の刻印は特に有名で、50年代の物に使われていたり、70年代以降の物に使われていたりと様々です。
「12」「14」「15」「20」は50年代~60年代に見られるディテールですね。
数字3文字
数字3文字の刻印。
80年代~2000年代まで使われていたものです。
「555」の刻印が有名で、アメリカのバレンシア工場で作られた物とされています。
また、アメリカ製の復刻は「555」のバレンシア工場の物です。(現在は閉鎖された工場のため、数十年後にはもしかすると、ヴィンテージのひとつになっているかもしれませんね。)
現在でも価格の高騰を見せていますから。
J+数字2文字 or 数字4文字
J+数字3文字、または数字4文字の刻印。
これらは現行に見られるディテールで、2000年代から使われるようになったとされています。
ちなみに、J から始まる刻印は日本企画を意味しており、日本向けに販売しているリーバイスです。
また、復刻品が過去のリーバイスのディテールを忠実に再現しているのですが、このボタン裏の刻印までを同じよう再現することはありません。
つまり、復刻モデルが英語一文字や数字一文字なのはあり得ないということです。
ですから、復刻モデルとヴィンテージの違いが分からないという方は、ヴィンテージのディテールをしているけど、ボタン裏の数字が3桁や4桁なら現行の復刻だ。と覚えておくとよいでしょう。
ヴィンテージで3桁や4桁の物は存在しないと言って間違いないですから。
内タグから読み取る
では、続いて年代を細かく読み取ることができる「内タグ」について。
1970年代から内タグと呼ばれるブランド名や型番が書かれたタグが製品につけられるようになったとされています。
この内タグには製造年月日やサイズ、または生産国なども記載されており、デザインの違いで年代を推測することもできます。
1970年代以前の物にはないディテールのため、それ以降の物という判断基準にもなりますね。
では、「現行」「ヴィンテージ」「復刻」の内タグをそれぞれ見ていきましょう。
90年代・現行
90年代のレギュラーと現行モデルに使われている内タグです。
上のリーバイスロゴが入った物が、90年代から使われているもので、下の数字か国の文字が書かれた物が現行ですね。
ヴィンテージ(1973年頃~)
70年代から付いている内タグ。
数字がいくつも並んでいますが、この数字から年代を推測することが可能です。
ちなみにこのタグは1979年11月に製造されたことを表しています。
ギリギリヴィンテージかそうでないかの分かれ目の物で申し訳ないです。
LVC(復刻)
復刻盤のLVCにはこのLEVI'Sのロゴが付いています。
LVC以外にも復刻はいくつかあるのですが、LVCかそれ以外かを見分けるポイントになります。
終わりに
以上、現行・ヴィンテージ・復刻の違いをボタン裏と内タグで判別する方法でした。
これは、特に簡単な見分け方なので、実際にはもう少し細かく見ることができます。
例えば70年代からの内タグにも年代毎に種類がありますし、他にも年代を考察するディテールは数多くあります。
今回、ヴィンテージにはほとんど触れていないですし、その他のディテールもお伝えしていません。
次回以降、このヴィンテージについて、自分がお伝えできる範囲でブログには書いていこうと思っています。
また、内タグについても近いうちに細かい年代考察を載せていこうと思います!
考察すればするほど楽しくなってくるのが、ヴィンテージリーバイスというものです。
分かり始めるとのめりこんでしまうかもしれませんよ!
また、Levi's はもちろん、それ以外のアメリカヴィンテージについてもこちらの書籍でまとめられていてとっても面白いのでおすすめです!
では、この記事が、ヴィンテージに興味を持つきっかけになってもらえれば幸いです!
それではまた。