アパレルの新しいビジネスモデルとして2019年あたりから拡大している「オフプライスストア」
アウトレットとはまたひとつ違った形態で運営されているセール品のお店ですが、本当にお得な商品が多いのでしょうか?
オフプライスストアについて考えてみたいと思います。
この記事はこんな方におすすめ
- オフプライスストアでの購入を検討している方
- オフプライスストアが本当にお得なのか気になっている方
どうも!
古着屋店員兼ブロガーの「k(@k___blog)」です!
最近アパレルの間でも話題となっているのが「オフプライスストア」
オフプライスストアを簡単に説明すると、様々なメーカーやブランドの余剰在庫をセレクトし、定価よりもかなり安い金額で販売する形態のお店の事です。
現在は、アパレル大手の「ワールド」、リユース業界の大手「ゲオホールディングス」がこのオフプライスストアを展開しており、注目を集めています。
在庫を処分したアパレルの新しい取り組みとも言えますが、顧客側からして本当にお得なのかを考えてみたいと思います。
アウトレットとオフプライスストアの違いとは?

まだ日本に上陸して新しい業態なので、アウトレットと大差がなく感じてしまいますよね。
実際余剰在庫を販売する場所と言う意味では同じですが、販売の方法が少し違います。
大きな違いは一つの店舗で複数のブランドを取り扱うという点です。
アウトレットはひとつひとつの店舗が集まってモールを形成し、自社のアウトレット品や過剰在庫を販売します。
それに対して、オフプライスストアは複数のブランドを買い付けるなどして、1つの店舗で販売しています。
オフプライスストアはセール品のセレクトショップといった見方が分かりやすいかもしれません。
また、ターゲット層にも違いがあり、アウトレットは郊外型、オフプライスストアは都心型に展開することで違った客層を取り込む狙いもあります。
オフプライスストアは本当にお得なのか?
さて、ここで本題。
「オフプライスストアは本当にお得なのか?」
という点です。
「お得」という言葉を定価に比べて考えるともちろん安くはあるのですが、そもそもが売れ残り品であることも考えなければなりません。
ですので、2次流通相場から算出するほうがお得なのかどうか、そしてその洋服の本当の価値を確かめることができるでしょう。
ということで、最近ではオフプライスストアのネット通販ができているので、そちらを見てみます。
こちら「MAGASEEK」などを運営する「株式会社FINE」が展開しているオフプライスのネットストア。
このネット通販でこちらのジャケットが販売されていました。

2020年春夏のアイテムで約1年の型落ち品です。
コチラが定価の50%オフ。
NANO UNIVERSE にしては定価高めのアイテムに感じますが、半額は魅力的です。

しかしながら、以前このジャケットはこの金額まで値下がりしています。
もうすでに在庫の表示はないのですが、75%オフの約7,000円です。
現在のオフプライス価格のさらに半額。
こう考えると現在の価格が最安値ではないことが分かります。
また、同じ物の2次流通相場は見つからなかったのですが、

2020年春夏物のテーラードジャケットの大体の中古価格は4000円~5000円程度。
オフプライスストアの方は一応新品扱いなので、これより少し高めが妥当だと考えると、7000円程度がやはりこの洋服の正当な価格と言えるでしょう。
ですので、このジャケット、14000円では少し割高だと言えます。
今回は、1点だけしか見ていませんが、結局オフプライスといってもこのようなアイテムが多く、本当にお買い得なのかと言えばそうではないのかもしれません。
オフプライスストアの利点
とはいっても、単純にオフプライスストアを否定すのは、アパレルの新しい取り組みを否定してしまう事になるので利点も考えた方が良いでしょう。
確かにアウトレットとほぼ変わり映えがないかもしれません、しかしながら最も違う点は、色々なブランドの商品をセレクトしているという点です。
アウトレットモール等では色々な店舗を行き来して、欲しい一着を探しますが、オフプライスストアは基本一店舗なので、そのお店の中で違うブランド同士をコーディネートすることもできます。
そのため、並べて見比べる事もできるので、より自分の欲しい物を見極められますし、コーディネートのしやすさも格段に上がります。
ですので、単純に安く買うという目的ではなく、色々な洋服を試着してトータルコーディネートをするという点においては、とても魅力的だと思います。
お買い得品と言う意味では上記のように最安ではないかもしれませんが、ファッションを楽しむという点においてはとても良い場所なのではないかと思います。
まとめ
以上、オフプライスストアについて考えてみましたが、オフプライスストアが最安で販売しいるお店ではないのかもしれませんが、色々な服を見比べてコーディネートするにはかなり適したアプローチだと感じました。
コロナ過において、膨れ上がる過剰在庫。
そしてアパレル不況の今、アパレル界の新しい一手にする為には、アウトレットモールなどよりもさらに低価格での販売が必要になるかもしれません。しかしそれがアパレルをさらに締め付けることにもなります。
ですので、こういった価格以外でファッションを楽しめる場所を設けて販売することがとても重要。
価格だけを考えずに、ファッションの楽しさをより伝えられるお店や業態になっていくと素敵ですね。
それでは以上になりますが、オフプライスストアに行くうえでの参考になれば幸いです。
ではまた。