多くの服好きを虜にする「マルジェラ」
今回はマルタンマルジェラというデザイナーとマルジェラというブランドについてどこよりも分かりやすくご説明したいと思います!
この記事はこんな方におすすめ
- マルジェラについて知りたい方
- マルタンマルジェラというデザイナーについて知りたい方
どうも!
古着屋店員兼ブロガーの「k(@k___blog)」です!
世界中のファッションギークを夢中にさせる「マルジェラ」
今回はこれだけ抑えておいたら間違いないマルジェラとはいったいどんなブランドなのかについて、できるだけ分かりやすくご紹介していきたいと思います!
奥が深いブランドだけにマルジェラが好きっていうとミーハー感が漂ってしまいますが、これを読むことでマルジェラの本質を少しだけですが理解できるはずです!
それでは早速見ていきましょう!
マルジェラとは?
マルタンマルジェラは1988年に「マルタンマルジェラ」と「ジェニー・メイレンス」によって設立されたメゾンブランド。
今では「メゾンマルジェラ」と名前を変えていますが、マルタンマルジェラ本人がデザインをしていたシーズンを「マルタンマルジェラ」、デザインチームがデザインをしていたシーズンを「メゾンマルタンマルジェラ」、そしてジョンガリアーノがデザイナーに就任してから現在までを「メゾンマルジェラ」
と大きく3つに分けて呼称します。(創業当初からメゾンマルタンマルジェラというブランド名で活動しているようですが、マルタンマルジェラ在籍時の品質表示タグには MARTIN MARGIELA と記載されています。)
当初はレディースのみの展開で1999年の春夏からメンズラインもスタートし、ブランドを象徴する白いタグに数字が書いてあるカレンダータグもそこからスタートしています。
カレンダータグに白い糸を4本縫い付ける、通称4つタグ。
今では、背中に4つの糸を見つけるとマルジェラかな?と分かってしまうほど、ブランドを象徴するアイコンとなってしまいました。(なることができたのではなく、なってしまったと表現することにします。)
しかし、創業当時は何も書かれていない白いタグを服に張り付けることで、ブランドではなく服を見て欲しい。
マルジェラの洋服にはマルタンマルジェラとジェニーメイレンスのそういった思いが込められていたのです。
90年代当時ブランド名で服を買う人が多かった時代。
そんな時代背景がありながらも、服に白いタグを縫い付けただけの商品を展開することを決めた二人の熱意。
本当にいい服を作ることができる自信があってこそできる事です。
この白タグの話を聞くと今のブランドとの乖離を感じます。
ブランドタグを掲げたくないマルタンマルジェラとブランドタグをマルジェラの象徴として扱うメゾンマルジェラ。
現在のブランドイメージと過去のブランドイメージに大きな違いがあることが分かりますね。
マルジェラとは?
を考えるときは今のマルジェラと過去のマルジェラを分けて考えることで理解が深まります。
現在はジョンガリアーノによる煌びやかで華麗な新しいマルジェラ。
過去はマルタンマルジェラによる、服の本質を追求したアルチザン(職人気質)なブランド。
全てがそうだとは言い切れないですが、このように解釈してもらっていいでしょう。
現在のマルジェラも過去のマルジェラもクリエイションを理解するのがほんとに難しいブランドです。
マルタンマルジェラ時代の物は明らかに変な服が多いですから、カッコいい服とそうでない服に分かれますが、それが時代と共に変わるから面白い。
ダサく感じていた服がトレンドの移り変わりとともにかっこよく見えてくるんです。
これこそがマルジェラの凄さ。
説明できない捉えどころのないクリエイションをするマルジェラですが、後にその良さに気づかされることが多いんです。
マルジェラがエルメスのデザインをしていた時もそうでしたね。
コレクションを発表した当時は「どうしてこんなにつまらない物を作るんだ!」といった世論が多かったのですが、今ではエルメスの中でもマルジェラ期と呼ばれるほどに人気のコレクションとなっています。
それに対してジョンガリアーノのデザインも理解するのがかなり大変なのは間違いないですが、きちんと商業として売れるものとコレクションを分けて作ることが出来ていることが分かります。
財布や香水・リングなどは分かりやすいマルジェラとして人気がありますよね。
これらはコムデギャルソンで言うプレイのような位置付けになっていると思います。
現在のマルジェラは過去のマルジェラよりもきちんと商業をしているってことです。
コレクションはジョンガリアーノらしいアヴァンギャルドな提案が多く、商業向けではありません。
しかし、ジョンガリアーノのデザインの中にはマルジェラのエッセンスがちりばめられており、確かにマルジェラを感じることが出来ます。
今のマルジェラはマルジェラではないという声もちらほら聞こえてきますが、マルジェラのデザインを一番に考えたのはジョンガリアーノだと確信できるコレクションです。
このようにジョンガリアーノのマルジェラでありながら、マルタンマルジェラらしさも感じることが出来き、なおかつ商業として大きな売り上げを上げることが出来ているのも今のメゾンマルジェラのすごさ。
4つタグなどのブランドアイデンティティを中心とした商業的なイメージを先行させて広めている為、大多数がマルジェラを「ブランド」として見ていますが、コレクションこそ現在のマルジェラの本質を示していると言えるでしょう。
ハイブランド?デザイナーズブランド?
マルジェラはハイブランドとデザイナーズブランドどちらの位置付けなのか。
正直、現在の価格帯はすでにハイブランドのそれです。
シャツが10万円、ジャケットが20万円を超える金額で販売されています。
ハイブランドとデザイナーズブランドを明確に分ける定義もありませんが、ハイブランドは広告費が商品価格に乗っていることが多いです。
それに対して、デザイナーズブランドはデザインにお金がかかっていると言えるでしょう。
では、マルジェラはどうでしょうか?
広告費か、デザイン料か。
しかしながら、これも現在と昔とでブランドの位置づけは大きく変わります。
昔も高額な商品はありましたが、ブランド価値で売っていたのではなく、その商品を作る過程でどうしても発生してしまうお金に対しての価値が含まれていました。
再構築ラインであるアーティザナルラインは安い古着で作られることも多かったですが、その服を探し出すマルジェラの労力や独創性やデザイン性、それらにお金を払っていたと言えます。
実際、広告などはほとんど出していなかったようですし。
ブランドステータスではなく、アルチザンな物造りが値段に乗っていたんですね。
現在のマルジェラもファッション界を牽引するジョンガリアーノがデザインしているとはいえ、価格の大部分に広告費が乗っているというのはぬぐえません。
そう考えると現在はハイブランドなのかもしれませんね。
マルジェラってモード系なの?
モードに対する「マルジェラ」のイメージも新旧対照的です。
メゾンマルジェラはモードブランドして名前が上がりますが、マルタンマルジェラが掲げていたのはアンチモード。
当時モードと呼ばれたコレクション形式を否定し、一般人をモデルに採用したり、雑誌記者にコレクション会場を何とも分かりづらく伝えていたりと、それまでのモード界のコレクションを拒み続けてきました。
誤解を恐れずに言うなら、マルジェラをモードとして捉えている人は、今のメゾンマルジェラが好きな人。モードではないととらえている人はマルタンマルジェラ時代が好きな人です。
マルジェラをモードと捉える人を、分かってない人。と言うのはマルジェラ好きとしていただけないですが、マルジェラ好きを豪語するなら、昔と現在の違いを知っておくのが良いかもしれませんね。
マルジェラの価格帯
現在のマルジェラの価格帯はかなり高額です。
Tシャツはシンプルなものが25,000円~
無地のTシャツが3枚一組となったパックTで、38,500円(税込み)です。
シャツが40,000円~
高い物になると100,000円を超えます。
パンツが40,000円~
シャツと同じく高い物になると100,000円を超えます。
ジャケットやブルゾンともなると100,000円~
ハの字ライダースが352,000円と定番品としては一番高額です。
財布は小さい物で50,000円~
通常使いできるサイズの財布だと80,000円~
靴類は50,000円~
定番のタビブーツが143,000円です。
※2020年現在の公式サイトを基にした価格帯になります。
現在も価格が上がり続けている印象で、ハの字ライダースは10年前は25万円ほどだったというので、10万円も値上がりしていますね。
公式サイトだと上記の価格ですが、BUYMA(バイマ)やSSENSE(エッセンス)などの海外通販を利用することでかなり安く購入することが出来ます。
マルジェラの店舗はどこにある?
東北
- メゾンマルジェラセンダイ
マルタンマルジェラの売り上げ世界一を記録したことで有名な「ReVoLuTioN(リヴォルーション)」がの店舗がある仙台に一か所あります。
- コンポラックス/メゾンマルジェラ渋谷西武
- メゾンマルジェラ オモテサンドウ ジャイル表参道
- メゾンマルジェラ 池袋西武
- メゾンマルジェラ 伊勢丹新宿メンズ館
- メゾンマルジェラ 伊勢丹新宿
- メゾンマルジェラ 銀座三越
- メゾンマルジェラ ギンザ シックス
- メゾンマルジェラ トウキョウ
- メゾンマルジェラ 阪急メンズ東京
関東
東京がマルジェラの取り扱いが一番多く、都内を中心に支持されているのが分かりますね。
恵比寿店にあるメゾン マルジェラ トウキョウ が世界で初めてのフラッグシップショップです。
北陸甲信越
- メゾンマルジェラ カナザワ
東海
- メゾンマルジェラ 御殿場プレミアム・アウトレット
- メゾンマルジェラ ナゴヤ
- メゾンマルジェラ 三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島
アウトレットは東海地方が一番多いですね。
名古屋の店舗は「クローゼット」をコンセプトにオープンされたそうです。
近畿
- メゾンマルジェラ ジェイアール京都伊勢丹
- メゾンルジェラ 阪急メンズ大阪
- メゾンマルジェラ うめだ阪急
- メゾンマルジェラ オオサカ
- メゾンマルジェラ 大阪タカシマヤ
- メゾンマルジェラ 神戸三田プレミアム・アウトレット
中国
- メゾンマルジェラ ヒロシマ
九州
- メゾンマルジェラ 福岡岩田屋
- メゾンマルジェラ オオイタ
4つタグ
マルジェラを示す4つの白い糸。
これは洋服の内側に白いタグ(現在ではカレンダータグ)の四隅を縫い付けることにより、外側に4つの白い糸が見えるデザインとなっています。
この4つタグには、マルジェラの匿名性を表すエピソードがあります。
何も書かない白いタグを張り付けることを提案したのはブランド創設者のひとりである「ジェニーメイレンス」
気になる洋服がお店に並んでいた時、ブランド名が書かれていなかったら面白いのではないか。
そして、ブランドではなく、その洋服を見てほしい。
そんな意味を込めて白いタグを提案したそうです。
マルジェラも当初は反対だったようですが、裏地がない服には4つ白い糸が見えるように縫い付けることで合意。
こうして4つタグのデザインは生まれたのです。
マルジェラファンの中では
「本当にマルジェラが好きなら、タグは外さなければならない!」
なんて極端な人もいますが、マルジェラ本人が4つ糸が見えることを提案したのですから、タグは外さなくてもいいでしょう。
僕も絶対にカレンダータグを外しません。
売る前提ではないのですが、服としての価格が下がってしまうのは間違いないですからね。
それでも、白い糸なんて邪魔だよ!という方だけ外せばいいんだと思います。
そこは自由でいいはずですから。
数字の意味
1999年春夏から始まった、このカレンダータグ。
それ以前は無地の白いタグを縫い付けていました。
(中には下のようなコレクションシーズンが書かれたタグも。こちらは1994年にアーカイブが復刻されたときについていたタグらしいです。)
0から23までの数字がタグに書かれており、数字が丸で囲われているデザインです。
この丸で囲われた数字がラインの種類となっているんですね。
0と010は特にアーティザナルラインとして特別なラインとなっています。
ラインの種類は下の画像の通り。
現在でもカレンダーが描かれていない、真っ白なタグのアイテムもありますが、それは1ラインのレディースの為のコレクションを表しています。
1だけが丸で囲われていないのにも、そういった意味が込められているのかもしれませんね。
現在と過去のアーティザナル
0と0 10 ラインの手作業により、フォルムを作り直した服はマルジェラにとってとても大切なコレクションです。
古着やミリタリーを解体し、そこから再構築する。
それが服にとどまらず、リボンやネクタイ、ベルト、そしてトランプやレコードなど。
解体する対象はファッション用途の物だけに留まりませんでした。
そんな、古い価値のないような物にも命を吹き込むマルジェラのアーティザナルラインは現在も高額で取引されており、マルジェラマニアから特に愛されています。
これがマルタンマルジェラ時代のアーティザナルなのですが、ジョンガリアーノになってからのアーティザナルは意味合いが異なります。
ジョンガリアーノのマルジェラはアーティザナルをオートクチュール(パリ・クチュール組合加盟店のオーダーメイドの高級服)として発表し、そのオートクチュールからの発想やデザインを基にプレタポルテ(既製服)として別のコレクションを発表しているんです。
どちらもブランドとしての特別なラインに違いはありませんが、マルタンマルジェラでは再構築ライン、メゾンマルジェラではオートクチュールラインだと覚えておきましょう。
デザイナーの移り変わり
マルジェラはデザイナーが2度替わっています。
創業者のマルタンマルジェラ
↓
デザインチーム
↓
ジョンガリアーノ
ですね。
デザインチームはマルタンマルジェラがデザインに関与しないコレクションでメゾンマルタンマルジェラという名前で発表したそうです。
その後、マルタンマルジェラではなくメゾンマルタンマルジェラとして発表し続け続けました。
そして、ジョンガリアーノがデザイナーに就任し名前をメゾンマルジェラに変更することになります。
マルジェラの定番品
マルジェラのコレクションには定番品がいくつか存在します。
その中からいくつかをピックアップするのですが、誰がデザインしていた時の定番品なのかも一緒にお伝えしたいと思います。
マルタンマルジェラの定番品
まずはマルタンマルジェラ時代からの定番品をご紹介します。
タビブーツ
1989年のファーストコレクションから現在まで、ブランドを通して販売され続けているのがこのタビブーツ。
日本のタビからインスピレーションを受けて作られており、蹄のように割れた足先がその特徴です。
マルジェラを代表する作品であり、アイコニックなアイテムでもあります。
メンズよりもやはりレディースに似合うのがこのタビブーツ。
意外と幅広い着こなしにすんないとはまる面白さもあります。
マルジェラを好きになった女性憧れのアイテムです。
5ジップライダースジャケット
5ZIP RIDERS LEATHER JACKET(ファイブジップライダース)、日本ではジップの形がハの字に見えることからハの字ライダースとも呼びます。
コチラも1999AWから現在までの素材やディテールを少しずつ変えて、毎シーズンリリースされています。
メンズの中でアイコン的存在ですね。
初期のハの字は肉厚の牛革を使った無骨な印象ですが、最近の物は柔らかな羊革を使った柔らかい素材の物が多くそれでいてミニマムでスタイリッシュな印象があります。
人によって好きなシーズンが分かれますが、人気なのは 99AW~02AW 頃の初期や 06AW~07AW ごろのシーズンも綺麗な形と上質な革の柔らかさがあり人気です。
エイズT
コチラも1993の初期から毎シーズン展開されているチャリティー商品であるエイズT。
このTシャツの売り上げの一部がHIV/AIDSと闘うフランスの慈善団体AIDESに寄付されます。
VネックのTシャツに「エイズと闘うためにすべき活動はもっとあるがT-シャツを着ることは良い始まりだ」というメッセージ性のあるプリントが特徴です。
シーズンごとに生地とペイントのカラーが変更され、さまざまなバリエーションを楽しむことが可能。
トレンド的にVネックが下火の今も変わらずにVネックで作り続けているのも面白いポイントですね。
ドライバーズニット
その名の通り、トラックのドライバーの服装から着想を得たアイテム。
肉厚のリブニットと高さのあるハイネックが特徴の一着。
座りやすいダブルジップ仕様や乗車などで引っかかって邪魔にならないように排除されたポケットなどのディテールも完成されたデザインです。
コットンタイプとウールタイプがあり、正直ウールタイプは首元までチクチクとして着づらさもありますが、それを差し置いてもカッコいいアイテムだと思います。
エルボーパッチ
ひじにレザーなどをあてがったエルボーパッチのシリーズもマルジェラの定番。
カーディガン以外にもニットやスウェットジャケットなどにエルボーパッチを施したデザインもあります。
マルジェラらしさがありながらも、主張しすぎないデザインの物が多いので、幅広い層から支持されているアイテムでもあります。
メゾンマルタンマルジェラの定番品
レプリカフレグランス
マルジェラの解釈でヴィンテージや古着を複製として再現して作り出したコレクションがこのレプリカライン。
代表的な物にジャーマントレーナーなどもありますが、こちらのフレグランスもレプリカで人気のアイテムです。
2012年から始まり、現在もメンズ・レディース問わず愛されています。
レプリカラインの面白さでもあるのですが、レプリカとして複製したアイテムの名前だけでなく、いつの物かも明記されているところに遊び心があります。
コチラは中でも人気の「レイジーサンデーモーニング」
ラベルの文字を上から翻訳すると、
オリジナルの名前:怠惰な日曜日の朝
出所と期間:2003年のフィレンツェ
香りの説明:柔らかい肌とリネンのベッド
スタイルの説明:女性の香り
となります。
香りってその場の風景などとリンクし、その香りから記憶がふと降りてくることもありますよね。
そんなイメージの沸くマルジェラのフレグランス。
今は10mlのトラベルサイズスプレーがリリースされているのでお試しでの購入もしやすくなっています!
メゾンマルジェラの定番品
続いてジョンガリアーノになってからの定番品。
アイコニックなバックがかなり増えました。
5AC
トートバックとショルダーバック二通りの使い方ができる2WAYバッグ。
ライニングを引き出して使用することで、ブランドロゴであるカレンダータグをこれでもかとアピールできるのが特徴。
こういったタグをデザインとして押し出すのはジョンガリアーノになってから増えた提案ですよね。
マルタンマルジェラらしさはかすみましたが、使い勝手の良いバックです。
グラムスラム
枕のような見た目のグラムスラム。
こちらは、ショルダー・ハンド・トートバッグの3WAY使用。
サイズ展開も豊富でデザインも面白いバッグです。
マルタンマルジェラ時代にデュベットコートと呼ばれる布団をそのまま着て出かけたようなデザインのコートがありましたが、ジョンガリアーノはそのアーカイブを見て、枕を出そうと思ったのかなぁと想像してしまいます。
ノーカラージャケット
ジャケットの襟やラペルを削いだミニマムなデザインのジャケット。
シンプルながらも計算されつくしたカッティングやジャケットとして綺麗なシルエット。
アヴァンギャルドとはまた少し違った、ジョンガリアーノの巧みな技術が詰まったジャケットだと思います。
デザイナー マルタンマルジェラとは
マルジェラの創業者にしてミステリアスな人物として知られるマルタンマルジェラ。
マルタンマルジェラとはいったい、どういった人物だったのか。
この一つだけ空席の集合写真からマルタンマルジェラという人物が少しだけですが見えてくる気がしています。
(白衣を着ているのが当時のデザインチーム、そして黒い服を着ているのがジェニーメイレンスです。)
マルタンマルジェラはベルギー出身のデザイナーでアントワープ王立芸術学院を卒業し、後にアントワープの6人と呼ばれる「ドリスヴァンノッテン」「アンドゥムルメステール」「ウォルターヴァンベイレンドンク」「ダークビッケンバーグ」「ダークヴァンセーヌ」「マリナイー」と共に、7人のグループで若手育成のコンクールに参加します。
その後、マルジェラはジャンポールゴルチェに就職し、グループを離れますが、6人と一緒に活動をしていたこともあり、マルジェラを入れてアントワープの7人と言われいたそうです。
マルジェラの就職先であり、マルジェラが支持したジャンポールゴルチェも前衛的な手法を打ち出すデザイナー。
マルジェラにおいても代表的な手法であるトロンプルイユ(だまし絵)などは、もとはゴルチェの手法だったりします。
その後、ジェニーメイレンスとの出会いがあり、マルタンマルジェラを設立。
ブランド名をタグに書かないといった匿名性のあるブランドというだけでなく、自分自身もメディアに出ない徹底ぶり。
自身に対する取材もファックスを使い、「私」という一人称を使わず、「私たち」という一人称複数を使って受け答えをしていたのは有名な話です。
2008年に引退してからは、ファッションデザイナーとしての活動はしていないようですが、2020年にドイツのビーレフェルト美術館の「歩く人」展にアートワークを出展されているようです。
現在も活動はされているということで少しだけ安心しました。
ファッション業界にはもう戻ってこないのかもしれませんが、もしまたファッション業過に戻ってくるようなことがあれば、業界全体が盛り上がるのは間違いないでしょう。
また、マルタンマルジェラについての相関図も造ってみました。
デザイナー ジョンガリアーノとは
ジバンシーやクリスチャンディオールと華々しいブランドのデザインをしてきた人物。
アヴァンギャルド(前衛的)という言葉はジョンガリアーノを印象付けるワードの一つとなるほど、アヴァンギャルドなデザイナーです。
コレクションをショーとして捉え、豪華に見せる演出はジョンガリアーノのファッションだと言えます。
ジバンシーのデザイナーを務めるまでは、前衛的過ぎて商業に向いていないという評価をされたこともありますが、現在のメゾンマルジェラでは商業としても大成功を収めているようです。
そこには、マルタンマルジェラに対してのリスペクトがあり、ガリアーノ自身のデザインと融合できているからこそ。
クリスチャンディオールを解任され、その後のマルジェラでの復帰は誰もが予想だにしない出来事でしたが、今のマルジェラがあるのはジョンガリアーノあっての物でしょう。
まとめ
以上、メゾンマルタンマルジェラについてご紹介させていただきました。
いかがだったでしょうか。
分かりやすく説明したつもりですが、1万文字以上の長い記事になってしまったのが反省です。
まだまだ、僕なんかがマルジェラについては語り尽くせませんが、ぜひ興味を持った方はいろいろと調べてみてください。
知れば知るほど、マルジェラのミステリアスな魅力に引き込まれていくはずです!
シーズンや名作、年代などもっと細かく知りたいという方はコチラも参考にしてみてください!
それでは以上になりますが、マルジェラの事を知るきっかけになっていただければ幸いです。
ではまた。